岩波書店
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発売日:2003-12
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子どもに力をつける学校運営
(2007-02-13)
1959年生まれの学校臨床学研究者が、布忍(ぬのせ)小でのフィールドワークをもとに、2003年に刊行した本。大阪府松原市立布忍小学校は、中規模の同和教育推進校であり、家庭的に恵まれない子が多い中、学力格差が小さいことで知られる。著者はその原因を、教職員集団のチームワークと集団づくりの原理に基づく、基礎学力の保障に求める。教職員集団のチームワークとは、教職員が公式・非公式の綿密な打ち合わせによって子ども像を共有し、それに基づき協働すること(子どもにとって良いのか悪いのかという基準だけが重要で、後は個々の教職員が柔軟に動く)であり、家庭・地域・OBもそれを下支えする。集団づくりとは、校内での遊びを重視すると同時に、教師集団が子どもの良さを見つめ、人間不信の子をこそ学級の中心に据え、愛情と冷静さをもって、他人を傷つける言動には徹底して怒り、子ども同士の歪んだ関係を修正する形で教師が関わることである。そうした実践の上で、子どもが素直に分からないといえる雰囲気をつくり、学校での学びと家庭学習とを有機的に関連づけ、昼休み・放課後学習やコース別学習(テスト結果に基づく子どもの自己選択による)等で、二重三重に子どもの基礎学力を保障し(したがって結構厳しい側面もある)、また基礎的な内容のテストを通じて指導内容の反省も行われる。その上で、応用学習として、実社会での聞き取り調査中心の、人権総合学習等もなされている。このように、布忍小の教育は、形式的平等主義を徹底的に排除した、仲間と共に歩む教育と見ることができ、日本の公立学校教育の一つのモデルともなり得るものであると著者は言う。全体的に同校の教育を美化する傾向があるようにも感じられるが、叙述は具体的であり、教育について多くの示唆を与える本である。




